GTEC Businessの異様な空間
静まり返った会議室やテストセンターで、合図とともに全員が一斉にヘッドセットのマイクに向かって英語を話し始める、あの独特のプレッシャー。筆者の経験上、英語に自信がある人が最初に話はじめ、ある程度個人の声が聞こえなくなった程度で自信のない人が話し始めると人しています。そのため、周りの人の流暢な(あるいは流暢に聞こえる)英語が最初に入ってきて、制限時間内で答えなければいけないのに「あー…」と言ったきり頭が真っ白になってしまう。
理系出身で今はエンジニアとして働いている私にとって、日々の業務でいきなり英語をペラペラ話す機会なんてそうありません。TOEICのリーディングなら時間をかければ読めるのに、GTECのスピーキングになった途端に中学生レベルの単語すら出てこなくなるんですよね。
今回は、そんな「スピーキング恐怖症」の社会人が、テスト本番の沈黙を回避して着実にスコアをもぎ取るための現実的な対策と「型」についてお話しします。
なぜ私たちはマイクの前でフリーズしてしまうのか
スピーキングテストで言葉に詰まる最大の原因は、英語力そのものではなく「完璧な日本語を、そのまま英語に直訳しようとするクセ」にあります。
例えば、画面に売上推移のグラフが表示され、「この状況を説明してください」という問題が出たとします。 この時、頭の中で「昨年度の第3四半期におけるプロモーション施策の遅れが響き、売上が低迷しました」というような、立派なビジネス日本語を思い浮かべていませんか。
これを制限時間内に頭の中で英語に翻訳しようとすると、確実につまづきます。「施策の遅れって英語でなんて言うんだっけ…」「関係代名詞を使って繋がないと…」と考えているうちに、無情にもタイムアップのブザーが鳴ってしまいます。
GTECの採点官は、あなたのビジネスセンスや論理の深さを測っているわけではありません。問われているのは「シンプルでもいいから、状況を英語で伝えられるか」という運用能力です。
沈黙を防ぐための3つの「サバイバル・テンプレート」
本番でテンパらないためには、どんな問題が来てもとりあえず口を動かし始めるための「型」を体に染み込ませておくのが一番です。私が実際に使っている、シンプルかつ汎用性の高いテンプレートを3つ紹介します。
1. 困った時の時間稼ぎフレーズ
質問をされてすぐに答えが出ない時、無言になるのだけは絶対に避けなければなりません。沈黙は減点の対象になります。 そんな時は、とりあえずこの言葉を発して数秒のシンキングタイムを稼ぎます。
“Well, that’s a good question. Let me see…” (ええと、いい質問ですね。そうですね…) “Please give me a second to check the information.” (情報を確認するので少し時間をください)
これだけで「英語のコミュニケーションのキャッチボール」としては成立しており、沈黙を自然にカバーできます。
2. 複雑な文章を捨てる「SV連発アプローチ」
関係代名詞(whichやwho)を使ってかっこいい長文を作ろうとするのはやめましょう。主語(S)と動詞(V)だけの短い文章を、接続詞(and, but, because)で繋ぐだけで十分伝わります。
「新製品のリリースが遅れたので、売上が下がりました」 × The sales decreased because the release of the new product which we planned… (途中で迷子になる) ○ We planned a new product. But the release was delayed. So, the sales went down. (これでOK!)
3. グラフや表を読む時の「鉄板の出だし」
資料を見て説明する問題は、出だしの型を一つに決めておくと圧倒的に楽になります。
“According to this graph,” (このグラフによると、) “As you can see from this table,” (この表からわかるように、)
このフレーズを言いながら、次に言うべき単語を頭の中で探すのがコツです。
結局のところ、最後は「語彙の瞬発力」に行き着く
これらの型を使ってうまく話し始められたとしても、文の核となる「動詞」や「名詞」がパッと出てこなければ、結局どこかで言葉に詰まってしまいます。
「低下する」と言いたい時に、decrease や decline という単語が、日本語を介さずに0.1秒で引き出せるか。これがGTECスピーキングのスコアを左右する最大の要因です。
単語帳をただ眺めているだけでは、この「瞬発力」は絶対に身につきません。英語を見て日本語を思い出すのではなく、日本語のシチュエーションから即座に英単語を引っ張り出すアウトプットの訓練が必要です。
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