TOEICにはないGTEC最大の壁。ライティングで時間が足りなくなる本当の理由
TOEICでそれなりの高得点を持っていて、普段の業務でも英語の資料をなんとなく読むことはできる。それなのに、いざGTECのテストで「英文メールをゼロから書きなさい」と言われると、全く手が出なくなってしまう。
社会人としてインプットの英語力は十分に備わっているはずなのに、ライティングなどのアウトプット科目になると露骨に時間が足りなくなる。これは、多くのGTEC受験者が最初にぶつかる共通の壁ではないでしょうか。
スピーキングの恐怖についてお話ししましたが、今回はGTEC Businessでもう一つ受験者を絶望させるセクション、「ライティング(英文メール作成)」でフリーズしてしまう原因と対策について語りたいと思います。
実務では社内AI(LLM)が使えるのに、なぜ本当の実力が試されるのか
最近は社内LLMや高精度な翻訳ツールを導入する企業も増えました。「実際の業務で英語のメールを書くなら、AIに下書きを作らせればいいじゃないか」と思う方もいるかもしれません。正直なところ、日々の業務効率を考えればそれは正しいアプローチです。
しかし、GTECのようなテストでは、あえてそれらの便利なツールを一切取り上げ、あなたの「素の英語力」を丸裸にします。
なぜなら、海外の担当者との急なWeb会議、出張先でのちょっとした立ち話、あるいはチャットツールでの即答など、リアルタイムなコミュニケーションではプロンプトを打ち込んでいる暇はないからです。また、AIが出力した英文のニュアンスが適切かどうかを瞬時に判断するためにも、結局のところベースとなる英語力は欠かせません。
便利なツールが普及したAI時代だからこそ、それに頼らず自力でアウトプットできる「本当の実力」が、企業からシビアに評価されているのです。
時間が足りなくなる最大の原因は「丁寧さへの執着」
では、なぜ自力で書こうとすると時間が足りなくなるのか。それは、私たちが「失礼のない、完璧なビジネス英語」を書こうとしすぎているからです。
日本語のビジネスメールにある「いつも大変お世話になっております」「五月雨式に申し訳ございません」といった独特のクッション言葉を、無意識に英語でも表現しようとして脳の処理落ちを起こしています。画面に「来週の会議の日程変更を提案するメールを書きなさい」というお題が出た瞬間、「『日程を変更していただけますでしょうか』ってどう書くんだっけ? Would it be possible…?」と悩み始めてしまうんですよね。
GTECの採点基準では、ネイティブのような気の利いた表現よりも、「要件が正確に、かつ論理的に伝わっているか」がはるかに重視されます。 過剰に丁寧な表現をひねり出すために時間を使い切るくらいなら、中学生レベルの文法でもいいので、要件をスパッと言い切る方が確実にスコアは安定します。
これだけは覚えておきたいメール作成の「3ブロック構成」
本番でフリーズしないためには、メールの構成をあらかじめ型にはめてしまうのが一番の近道です。私はいつも以下の「3ブロック」で乗り切っています。
1. 目的(なぜメールしたのか)
“I am writing to inform you that…”(〜をお知らせするためにメールしました) “I am writing to ask about…”(〜について伺いたくメールしました)
2. 詳細・依頼(具体的にどうしてほしいのか)
ここが本題です。難しい単語は使わず、”Could you please ~?” や “Please ~.” でシンプルに要求を伝えます。
3. 結び(次のアクション)
“I look forward to hearing from you.”(お返事お待ちしております) “Thank you for your cooperation.”(ご協力ありがとうございます)
この骨組みさえ最初にタイピングしてしまえば、あとは2の「詳細」部分の肉付けに全時間を注ぎ込むことができます。精神的な余裕が全く違いますよ。
タイピングのスピードは「単語力」に直結する
そしてもう一つ見落とされがちなのが、純粋なタイピングスピードです。 ただ、これは「ブラインドタッチができるか」という物理的な問題ではなく、「言いたい英単語が脳から指先へ瞬時に伝わっているか」というアウトプット能力の問題です。
「添付ファイルをご参照ください」と打ちたい時に、「えーと、添付するは attach で、参照するは…」と日本語を介しているうちは、どうしても指が止まります。 “Please find the attached file.” という塊として、無意識に指が動くレベルまで語彙を体に染み込ませておく必要があります。
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